東京五輪テレビ観戦の“ツボ”はこれだ! 碓井広義氏&桧山珠美氏が各局の顔ぶれを一刀両断

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 23日、開会式を迎える東京五輪。ほとんどが「無観客開催」のため、競技の様子はテレビで見るしかないが、会場の熱気を伝える各局の中継番組のキャスターが出揃った(表参照)。コロナ禍の予断を許さない状況の中、キャスターたちは選手たちの活躍をいかに伝えるのか。知れば100倍盛り上がる、テレビ観戦の“ツボ”を日刊ゲンダイがチェック!

 ◇  ◇  ◇

NHKは嵐&人気アナで総動員体制

 やはり一番気合が入っているのは放送時間最長のNHK。コロナによる延期以前から、嵐がスペシャルナビゲーターを務めることが発表されていたが、2020年末の活動停止を挟み、今回、相葉雅紀(38)、櫻井翔(39)の2人を起用。さらに開会式には和久田麻由子(32)、閉会式には桑子真帆(34)といった同局の看板女子アナを配するなど、アナウンサー総動員体制で挑む。メディア文化評論家の碓井広義氏はこう話す。

「さすがにNHKらしく、タレントの力だけでなく、アナウンサーの総力戦で五輪を大々的に伝えようという王道の布陣です」

日テレはさんま、上田、有働で盤石

 日テレは“キャプテン”明石家さんま(66)を筆頭に「Going! Sports&News」の上田晋也(51)、さらに同局の“夜の顔”である「news zero」の有働由美子(52)を手堅く揃えた。

「こちらも盤石の布陣と言えるでしょう。ただのタレント起用とは一線を画している。さんまさんも上田さんも根っからのスポーツ好きで、試合の様子や選手の思いをしっかり伝えられる。有働さんも、98年の長野五輪ではNHKの総合司会でしたからね」(碓井氏)

 テレビコラムニストの桧山珠美氏はこう話す。

「『zero』で有働さんと組んでいる櫻井クンが嵐の関係でNHKに行ったのは興味深いですね。櫻井クンにとっては、なんでもかんでも混ぜっ返しておいしいところを持っていっちゃうさんまさんと組むより、これで良かったのではないか。日テレは、さんまさんがメインに座ることで、沈みに沈んだこの大会を、どこまで“から騒ぎ”して盛り上げてくれるかが見どころじゃないですか」

TBSの安住一本勝負の危険性

 8大会連続で同局の五輪キャスターを務めてきた中居正広をクビにして、安住紳一郎(47)一本で勝負に出たのがTBS

ジャニーズ事務所に対する忖度がなくなったからなのかは分かりませんが、自局のエースアナをメインに据えたのはTBSの覚悟を感じます。それと著名なアスリートコメンテーターも多数出演するようで、五輪をしっかり伝えようとする意思を感じます」(碓井氏)

 ただ、秋からの朝の情報番組のスタートも控える中、何でもかんでも安住一本カブリで大丈夫なのかという懸念は残る。

フジは重みに欠ける村上信五

 一方フジは、関ジャ二∞の村上信五(39)がメイン。ジャニーズとしても“ポスト中居”として大プッシュ中の村上だが……。

「マツコやたけしらとも堂々渡り合っているが、どうしても“ジャニーズの小僧”感が出てしまっている。すでに39歳なんですけどね。メインとしては重みに欠ける感じです」(桧山氏)

 さすがに村上だけでは弱いと思ったか、同局でスポーツを担当する人気の宮司愛海アナ(29)、さらに「東京五輪 情報スペシャルキャスター」として小倉智昭(74)も参戦。またBSフジでは、往年の人気アナである中井美穂(56)と内田恭子(45)をメインで起用している。

「これはBSを見てるおじさんたちに対するサービスですね(笑い)。オールドファンは大喜びでしょう」(碓井氏)

テレ朝は“アツい男”修造で丁半博打

「さんまと同じ“オリンピックおじさん”として期待がかかる」(桧山氏)のは、テレ朝のメインの松岡修造(53)。ご存じ“アツい男”が、ただでさえクソ暑い炎天下での五輪をどこまで熱くするか。

「応援する側の気持ちも選手の気持ちも分かるのは利点で、大いにハシャいで欲しいが、飛ばしすぎて、冷ややかな目線を向けられないかスリリングな展開になりそう」(桧山氏)

 一方、碓井氏は、前回のリオ五輪まで5大会連続でテレ朝の五輪キャスターを務めていた福山雅治の名前がなくなったことを指摘する。

「テレ朝としては、今回、そこまでの布陣を敷かなくていいと考えたのでしょうか。もしくは今回に関しては、世情を鑑みたタレントサイドから辞退があったのかも知れません」(碓井氏)

テレ東は独自路線で我が道を行く

 最後はテレ東。メインを務める小泉孝太郎(43)は、同局のドラマで活躍中だが、スポーツの印象はほとんどない。

「“テレビ東京の顔”と言える男性アナウンサーは思いつかないでしょう。そうしたこともキャスティングに影響していると思います。キャスターを務める竹崎由佳アナは、元関西テレビのアナウンサーですが、本来なら、同局で人気だった鷲見玲奈アナがやっていたポジションですね」(碓井氏)

 さらにフィールドキャスターに武井壮(48)が入っているあたりも含め、テレ東らしい「独自路線」の人選と言えそうだ。

 桧山氏は「聖火リレーに次々と辞退者が出たように、今回の五輪は“触るとケガする危険物”になってしまった」としてこう続ける。

「一番、頑張ってるのは4K・8K放送やネットと同時配信するNHKだけで、民放はもろ手をあげて放送するという感じではない。そんな中、さんま、松岡修造という“2大巨頭”の明るさが救いになるのか、あるいは世間のひんしゅくを買ってしまうのかに注目したい」

 一方の碓井氏はこう話す。

「今回、五輪そのものが逆風の中にあり、五輪に関わること自体が悪事に加担しているかのような雰囲気になってしまった。キャスターを務める人たちも、まさかこんなことになるとは思わなかったでしょう。胸中複雑な思いはあるはずだが、今までになくバランスが難しい五輪中継になることは避けられない。無理に盛り上げる必要はないが、下手をすればスベってしまう。いずれにせよ、五輪そのものと競技の中継は別物と切り分けてやるしかないのではないでしょうか」

 ともあれ今日から2週間、地上波は五輪一色。前代未聞の夏が始まる――。    

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