欧州のミステリードラマには深みがある 日本の刑事モノとはレベルが違う

公開日: 更新日:

 日本の推理ドラマはひねりに乏しく、主役の刑事や探偵も平凡で面白みがないと口うるさい連中も、「やっぱり傑作が多いね」と高く評価するのが欧州ミステリーだ。

 アガサ・クリスティの「名探偵ポワロ」(NHK・BSプレミアム)は、短躯で卵形の頭、ぴんとはね上がった大きな口髭、世界最高の頭脳を持つと自負していて、自分のことを「ポワロは」と三人称で話すなど、かなりのうぬぼれ屋である。そんな滑稽なポワロを英国俳優デビッド・スーシェは原作のイメージのままに演じたが、熊倉一雄の日本語吹き替えはそれ以上にポワロっぽかった。残念ながら11日で最終回。

「シャーロック・ホームズの冒険」(同)のホームズは、鋭い観察眼と推理力で事件を筋読みし、冷静沈着に謎を解いていく。射撃の腕は百発百中、ストラディバリのバイオリンも弾く。事件がなく退屈すると、コカインやモルヒネに走る薬物依存で、執務机の引き出しには注射器も用意されている。

「相棒」(テレビ朝日系)の杉下右京や「古畑任三郎」(フジテレビ系)もかなりの変わり者だけど、英国の名作ミステリーの主人公たちの変人ぶりは、もうそれだけでドラマになるほど魅力にあふれている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  2. 2

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  3. 3

    参院選中に参政党「排外主義カルト」の実態をマトモに報じなかった大手メディアの生ぬるさ

  4. 4

    「時代に挑んだ男」加納典明(29)名門芸術系高校に進学も...「よくあれで卒業させてくれたと思います」

  5. 5

    参政党旋風のシンボルさや氏をめぐるナゾが芸能界にも波及…CDデビュー、レーベルはどこ?

  1. 6

    玉木代表は会見のらりくらり…国民民主党が“激ヤバ”女性議員の「選挙違反」ウヤムヤ決着を狙うワケ

  2. 7

    巨人無残な50億円大補強で“天国から地獄”の阿部監督…負けにお決まり「しょうがない」にファン我慢限界

  3. 8

    「さやお母さん」爆誕…“神谷ガールズ”が参政党の躍進を支えるも目標「20議席」は未達

  4. 9

    巨人がどれだけ憎くて憎くて仕方がなくても、「さすがは長嶋じゃ!」となってしまった

  5. 10

    帰ってきた阪神の“Gキラー”に巨人は戦々恐々…完封含む16イニング連続無失点の苦い記憶よぎる