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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

テレ東系水ドラ25「東京放置食堂」一度味わうとクセになる面白さ!

公開日: 更新日:

 そうか、その手があったか。緊急事態宣言で「都道府県をまたぐ移動」はままならない。でも、「大島」は東京都だ。堂々の都内ロケじゃん!

 制作陣がそう考えたのかどうかはともかく、水ドラ25「東京放置食堂」(テレビ東京系)の舞台は伊豆大島だ。都心から120キロの距離。高速ジェット船に乗れば最短1時間45分で着く。

 島にある居酒屋「風待屋」の店主は、祖父から引き継いだ小宮山渚(工藤綾乃、好演)。旅人としてやって来た真野日出子(片桐はいり)が手伝っている。彼女は元裁判官らしいが、事情が判明するのはこれからだろう。

 とはいえ、劇的な物語が展開されるわけではない。島の外から来た、それぞれに悩みを抱えた客。日出子は彼らの話を聞き、名物の「くさや」を焼いて食べさせ、アドバイスの言葉を添えるだけだ。

 先週、店のカウンターに座ったのは、アイドルの小松原美織(桜井玲香)だった。酒もたばこも好きでヤンキー気質な素の自分。常に笑顔で夢と希望を振りまくアイドルの自分。そのギャップが苦しくて、サイン会から逃げ出したというのだ。

「期待に応え過ぎないほうがいいよ。あんたは、あんたでしかないんだから」と日出子。美織は仕事に戻ることを決意する。

 そこに立っているだけで見る側の気持ちをザワつかせる片桐は、これが連続ドラマ初主演。くさやと同様、一度味わうとクセになる深夜ドラマだ。

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