著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

人生でただひとり夢中になった「アイドル・早見優」には何があった?

公開日: 更新日:

「すいません事後報告で。早見優さんのYouTubeに出演したのですが、松尾さんの話を勝手にさせていただきました」

 困惑を覚えるLINEがスージー鈴木さんから届いた。この1学年上の音楽評論家と出会ったのは昨年だが、2人してファンだった早見優や筒美京平について話すうち、同じ街に住んで同じ大学に通っていた事実まで判明、すっかり気を許す存在となった。ゆえの困惑である。まさか彼女に余計なことを話したのではあるまいな。

 そう、早見優こそは人生でただひとり夢中になったアイドルなのだ。ぼくは大河ドラマ「国盗り物語」で濃姫を演じた松坂慶子(当時20歳)に5歳で心奪われてから現在に至るまでずっと、女性には成熟した魅力を求めてきた。だが中3の数カ月だけはデビューしたばかりのハワイ帰りの美少女にのぼせあがった。日焼けした健康的な容姿はもちろんだが、他のどんなアイドルとも違う彼女の佇まいに目を奪われた。

 熱病だった。早見優がCMに出演する資生堂やペンタックス(旭光学工業)の福岡支社の住所を電話帳で調べてはアポなし訪問、粘り強く交渉してポスターなどの戦利品を得た。準備中の公式ファンクラブにフライング承知で申し込んだら1桁の会員番号が届いたのには驚いたが、そこまでは親バレせずに済んでいた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲