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松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

久保田利伸さんとBunkamuraの夜…長年のファンほど真剣に在りし日の幻影を追ってしまう

公開日: 更新日:

 生バンドの演奏が始まってまず登場したのは、日本に帰化した米国出身の黒人シンガー、クリス・ハート。達者な日本語で知られる彼だが、英語でカバーするホイットニー楽曲もなかなか。それにしても、生身の歌手がヴァーチャルのスターの前座というのは奇妙なねじれである。哲学的といえば大げさか。クリスが退場後、ダンサー4名(いずれも生身)に煽られて、ついにホイットニー様降臨。思わず久保田さんと身を乗り出す。あれ、ちっちゃいな。でも似てる。当たり前か。いや、当たり前とはまた違うぞ……ふたりとも思考は早くも混乱気味。はて、バグったか。

 ヴァーチャル・ホイットニーの歌はアンコール(!)含めて1時間あまり続いた。使用された歌声は99年あたりのものか。目も当てられぬひどさだった2010年の最終来日公演を観た者としては、悪夢をあざやかに塗り替えてくれる歌唱ではあった。だがナオミ・アッキー演じる映画版ホイットニー(こちらも本人の歌声を使用)より感情移入できたかといえば、即答するのはむずかしい。長年のファンほど真剣に在りし日の幻影を追ってしまうものらしい。百貨店も、スターも。

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