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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「大河ドラマが生まれた日」の精神はどこへ…松本潤「どうする家康」はもはやコメディー

公開日: 更新日:

 2月1日、日本のテレビ放送は開始から70年を迎えた。人間でいえば古希にあたる。そんなテレビ70年を記念して4日に「大河ドラマが生まれた日」(NHK)が放送された。大河ドラマも今年60周年。記念すべき第1作は幕末の大老・井伊直弼の生涯を描いた舟橋聖一原作「花の生涯」。ドラマは文字通りテレビマンによる大河誕生を描いた笑いあり涙ありの物語だ。

「なあ、楠田、今のテレビどう思う?」。中井貴一扮する芸能局長・成島庭一郎がプロデューサー楠田欽治(阿部サダヲ)に問いかける。

「俺は正直言って今のテレビがちっとも面白くないんだよ。夢がないんだよ、夢が。テレビでしか拝めない演者がちまちま動いてるだけの退屈なもの見せられた国民がこれからはテレビの時代だ、新聞やラジオにとって代わる新しい娯楽だって信じるかい?」と詰め寄る。

 そして、「いいか楠田。貴様に対する要望はただひとつだ。日本一の大型時代劇を作れ! しかも連続ドラマで9カ月だ。演者は映画歌舞伎、新劇の大スターを勢ぞろいさせて息をのむようなチャンバラから濃厚なラブシーンまで、ありとあらゆる娯楽を詰め込んだ、空前絶後のその上を行くような、新感覚の連続大型時代劇を作り出せ」と命じた。

 そんなふうにいかにして先人たちが情熱を注いで大河ドラマを作ってきたかが丁寧に描かれていた。さらにNHKは放送翌日、「花の生涯」第1話を最新のAI技術で蘇らせて放送。こちらも見たが、60年経ったいま見ても素晴らしい作品だった。

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