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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

レッツゴーよしまさが「生まれ変わりのような」ものまねをできる理由

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 ものまねを好きになったのも志村がきっかけだった。志村が出演するCMを録画しようとして録ったのが、ものまね番組。そこで見た、なかじままりに衝撃を受け、自分も“趣味”でやるようになった。当初、彼のレパートリーは昭和歌謡。それも志村の影響だった。志村がコントで題材にした曲を好きになったのだ。

「ものまね」と「志村けん」は、よしまさにとってそれぞれ違う「好き」のベクトル。志村のものまねをしようという発想すらなかった。しかし、20年に志村が急逝し、もう志村のコントが見られないと思った時、自分でやってみようと思った。すると練習なしでできてしまったのだ。

 それについて冒頭の番組で、通常ものまねはインプットとアウトプット両方が必要だが「インプットが9割5分ぐらいだった。見てきた量が尋常じゃない」と自己分析している。

 好きなことだけをするために本業を辞めないという選択をしている、よしまさ。好きだからこそ、ものまねの対象ではなかった志村を、好きだからこそ死後にものまねを始めた。冒頭の番組で、よしまさは本人に会えなかったことを考えると「泣きそうになっちゃう」と涙ぐみ、「会えない運命だったのかもしれないです」とポツリとつぶやいた。

 そのピュアさがあったからこそ、“生まれ変わり”のようなものまねができたに違いない。

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