著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

シモーヌ・ヴェイユの生涯描く映画に奮い立つ 世界の地獄化を止める唯一の方法は「声を上げること」

公開日: 更新日:

 いくたびか新作映画について語ってきたが、思うところあって紹介するのは日本映画に限ってきた。だが今回はその限定を解除したい。この洋画をひとりでも多くの方にお奨めしたい気持ちに抗えないからだ。昨年フランスで国内映画として年間興行成績トップを記録した『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』がそれ。日本では7月28日(金)に東京、名古屋、京阪神で公開され、その後も全国で順次公開が予定されている。

 いまの社会の「余計なことつべこべ言わずにエラい人に命じられたことを黙ってやっとけ」という空気に息苦しさを感じるあなた。「男は仕事、女は家庭」という考え方を古くさく感じるあなた。そして、今週末のスケジュールがまだ埋まっていないあなた。断言しよう。観るべし! あなたが男でも、女でも、あるいはそれ以外でもだ。

 あなたひとりがこの作品を観るだけですぐに社会が変わるという道理はない。だが、あなたは変わる。観る前より心が強くなっている。この社会(世界、と言い換えてもいい)に対して、以前ほどのプレッシャーを感じずにすむようになる。社会が変わるのを待つだけじゃなく、まずは自分が変わろうよ。それだけの力がこの映画にはある。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった