著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

「刹那に生きる」ヒャダインの根底には「絶望と破壊願望」がある

公開日: 更新日:

「セーラー戦士が勝てないんなら、俺が受験に勝てるわけないじゃんと思ってしまって」
 (前山田健一/日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」2月6日放送)

 ◇  ◇  ◇

「ヒャダイン」の名で活躍する音楽クリエーターの前山田健一(43)。3歳の頃からピアノを始め、中高一貫校の大阪星光学院に進学、そして京大卒業という華麗な経歴を誇る。しかし、中学受験は人生における大きな挫折だったと振り返った。第1志望や第2志望も落ち、滑り止めさえ落ち、絶望。追い込まれて10時間以上、勉強していたという。

 唯一の息抜きで見たのが、テレビ朝日系のアニメ「美少女戦士セーラームーン」。ちょうど最終回間際で、どんどんセーラー戦士たちが残酷な形で戦死していく回だった。それを見て思ったことを回想して語った言葉を今週は取り上げたい。そこから一切、勉強をしなくなったヒャダインは「もうどうにでもなれと思って、試験場でもものすごくリラックスしてやったら逆に通った」と続けた。

 中高生時代にも別の「絶望」が待っていた。友達付き合いは苦手で、ズッとスクールカーストは中の下。ついには友人に「お前は友達ランクBだから」と言われてしまう。だから「高校時代は暗黒、ドブでした」(朝日新聞社「withnews」2015年1月14日)と振り返る。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々