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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

「刹那に生きる」ヒャダインの根底には「絶望と破壊願望」がある

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 京大に入学すると、受験合格を目標にしていたため、燃え尽き症候群のようになってしまい、バイトの方が楽しくなってしまう。バイトに熱中しているうちに就職活動に出遅れ、「人生詰んだ」(同前)とまた絶望。「学生にしかできないことやっとこう」と、ニューヨークを長期旅行すると、帰国予定の前日に9.11テロが起き、足止めを食らった。そこで人生を見つめ直し、好きな音楽で生きていくことを決意したのだ。

 そんな経験からか「僕の根底には絶望と破滅願望がある」(フジテレビ系「ボクらの時代」15年6月21日)と彼は言う。一方でネット投稿によって火が付き、脚光を浴びるなど、思いもよらぬ売れ方や展開をしている。だから「5年後を考えたことも一度もないので、せいぜい考えることができて今年の12月まで」「計画的に生きることができないので、刹那に生きている」(テレビ朝日ミュージック「MUSiC FACTORY TOKYO」15年2月23日)のだという。

 楽曲をつくる際も、そんな意識で作っている。「永代まで残る曲をつくろうとつゆとも思ってない」と彼はキッパリ言い放つ。

「刹那、刹那で、その時代を華やかにできればいいかなぐらいにしか思ってなくて。だから、読み捨てられても全然平気」(テレビ朝日系「夜の巷を徘徊する」17年11月16日)

 それゆえ、逆に「今」の時代に深く刺さっているに違いない。

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