メークドラマ“胎動”の瞬間…スポーツ紙を片手に鼓舞する私に、長嶋さんは静かな笑みを浮かべて頷いた

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“燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、身近に接した者すべてにそれぞれの「長嶋茂雄像」を強く印象づけてもいる。

 今回は日刊ゲンダイ特別号「追悼 長嶋茂雄 50人の証言」に収録された元巨人編成本部長補佐の石山健一氏による回顧録を特別公開する。 

  ◇  ◇  ◇

 巨人が「メークドラマ」を達成した1996年、私は編成本部長補佐兼二軍統括ディレクターを務めていました。95年に長嶋茂雄監督に声をかけていただいたことがきっかけです。

 7月6日の時点では首位広島に最大11.5ゲーム差をつけられる苦戦を強いられ、チーム内には諦めにも似たムードが漂い始めました。監督は意気消沈していないか……。気になった私は東京ドームでの試合前、スポーツ紙を片手に監督室の扉をノックしました。

「監督、広島元監督の古葉竹識さんがスポーツ紙の評論で、面白いことを言ってますよ」

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