小林聡美のGP帯連ドラ単独初主演作 アイドルには出せない“味”の虜に

公開日: 更新日:

 90年代から“ほぼジャニーズ劇場”だった土9が、2000年代に入って“J頼み”からの脱出を模索していたような時期。そんな中でも、この企画は違和感があった。でも、せんべいの粉がちらばらないように“吸いながら”食べる小林聡美を見て「アイドル俳優には絶対出せない味」を感じ、虜(とりこ)になったのは僕だけではなかった。

 脚本を担当した木皿泉は向田邦子賞を受賞、多くのドラマ好きの“フェイバリット”となり、今も愛され続けている。

 ヒューマンコメディーのくくりに入るんだろうし、今ならシスターフッドなんてのもハマるかもしれないけど、そんなキャッチーな短い言葉で表したくない独特の世界。共感や笑いや感動の押し売りはなく、大きな事件はなくても(そりゃ同僚の横領は大事件だけど)、日常を丁寧に紡いでいく。生きづらさを押し出すわけでも“繊細さん”を礼賛するわけでもなくて、ただハピネス三茶とその周辺の人物が、いそうでいない、いなさそうでいそうな絶妙なキャラとして描かれる。そして僕らは“人間は怖くも悲しくも面白い”ってことに気づかされるのだ。

 そんなドラマを作ってみたいと思う制作者は、今もきっといる。この秋始まった「ぼくたちん家」には、その志をほんの少し感じる。言いたいことは山ほどあるけど、それは別の機会に。

(テレビコラムニスト・亀井徳明)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK3年連続赤字で番組制作費82億円カット…タモリもダーウィンも華大も豊臣もピンチ!

  4. 4

    佐藤二朗「橋本愛へのハラスメント」報道に猛反発…板挟みのフジテレビが抱えた厄介すぎる“爆弾”

  5. 5

    日テレが「news LOG」和久田麻由子を全面バックアップできない切実事情…佐藤栞里や有働由美子との決定差

  1. 6

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  2. 7

    佐藤二朗「週刊文春」ハラスメント疑惑報道に猛反発の行方…スポンサー企業はCM差し替えに動くのか?

  3. 8

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  4. 9

    椎名林檎と成田悠輔氏の親密デート発覚!「異色の超ビッグカップル」誕生も「いわくつき」と見られるワケ

  5. 10

    【5.独走態勢】「ミッドナイトフライト」「夜間飛行」が候補だったが、明菜が「北ウイング」を提案した

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  2. 2

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  3. 3

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  4. 4

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  5. 5

    中村晃は引退会見で「幼稚」と…長谷川勇也、松田宣浩、和田毅が呈していたソフトB若手への苦言

  1. 6

    NHK3年連続赤字で番組制作費82億円カット…タモリもダーウィンも華大も豊臣もピンチ!

  2. 7

    ソフトB関係者を“メロつかせた”佐々木麟太郎の褒め殺し…「ウチで決まりと思っちゃう」のノロケ声も

  3. 8

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  4. 9

    ソフトバンク中村晃が現役引退へ…当面の仕事は「幼稚な二軍選手」の根性叩き直し

  5. 10

    本田圭佑がサッカーW杯解説で「独り勝ち」 テレビ&CM争奪戦ボッ発で“ワリを食った”あの人