伊吹吾郎さんは「謙虚・誠実・実直」を絵に描いたようなステキな俳優だった
本番を終えると「うまくしゃべれなかったですね。申し訳ない!」と頭を下げられ、「ギターも何カ所か間違えて、やり直そうかと思ったんですけど、そのままいっちゃいました。お恥ずかしい! こちらも申し訳ない!」と頭を下げられるので、「とんでもありません。ギターは素晴らしかったですし、お話も良かったです!」と返すと、「いやいや、もっとしっかりしゃべらないとダメです」と反省しきり。「でもうれしいことを言ってくださる。ありがとうございました。また機会がありましたらお会いしましょう!」と固い握手をして帰って行かれました。
お仕事について「レギュラーでも単発でも、その一回一回は二度と帰ってこない一回ですからね。気持ち込めてやらせていただいています」とおっしゃっていました。ひとつひとつの作品、役柄への謙虚で真摯な姿勢、スタッフへの心遣いがひしひしと伝わってきて、本当に気持ちのいい忘れられない収録になりました。
NSCの最後の授業で「どんなスターもひとりではなにもできない」ことを伝えていますが、伊吹さんはまさに実践されているお手本でした。「好漢・伊吹吾郎」は今でもとてもいい思い出として残っています。



















