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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

【朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所】熊本編、大丈夫か? ゆるい展開に感じる一抹の不安

公開日: 更新日:

第20週「アンタ、ガタ、ドコサ。」#98

 ヘブン(トミー・バストウ)の意向で、松野家の朝食はトーストに。クマ(夏目透羽)は一人で人数分のトーストを焼くのに毎日四苦八苦。そんなクマに丈(杉田雷麟)は優しく寄り添う。ある日、トキ(高石あかり)は偶然からヘブンの作品執筆がうまくいっていないことを知ってしまう。

 さらに司之介(岡部たかし)は再び怪しい人物と接近。そんな中、松野家のあるモノが紛失する。

【本日のツボ】

名探偵コナンのような正木

 ※※以下、ネタバレあります※※

 台所で朝餉の支度をするおクマちゃんに話し掛ける丈。火鉢でトーストを焦がさないように焼くのは大変という流れで、「いつか誰も見とらんでもトーストが奇麗に焼ける道具が出来たらよかとにね。あと魚も勝手に焼けてさ」とおクマ。

 そこから「米が勝手に炊ける道具」「勝手に洗濯するたらい」などとあったらいいなを次々と言う丈。おクマもそのたびに「わっ、欲しか~」と応えます。この2人、なにやらいい感じです。

 そんなこんな話し込んでいるうちに、トーストを焦がしてしまいます。それを手に取り、「うん。おいしい」とガブリ。そんな丈に「ありがとうね」とおクマ。

 何げない朝のシーンでしたが、丈の優しさとおクマちゃんに好意を持っていることがわかる場面でした。松江では兄の錦織(吉沢亮)のイケメンぶりに気がつきませんでしたが、弟の丈もなかなかのイケメンです。そのうえ優しいとあれば、おクマちゃんでなくとも、「惚れてまうやろ~」です。


 そんなほのぼのシーンはさておき、本日のメインイベントは司之介が荒金九州男(夙川ツトム)に大金を預け、小豆相場に手を出した件です。

「あんたの“馬刺し”ば見せてもらおうかね」とか「熊本中の“いきなり団子”仕切っている」などと、いかにもうさんくさい言動とその怪しげないでたちの荒金。しかも、司之介は家中の現金に加えて大借金までしたというのだから、これはもう誰もがまたあのうさぎの時と同じことを繰り返し、大借金を背負うに違いない、と思ったら……。

 まさかの現金倍増にビックリ。荒金九州男、ホンモノでした。ですが、もっと驚いたのはその現金を見て「違う!」と声を荒らげた司之介です。

「思っちょったのと違う。なして、なして増えるんじゃ。……増えたらいけんのじゃ。金をすべて失って、大借金を抱えてどん底に落ちる。そげしてな、昔、長屋におったときのようなひりひりとした、尻に火のついた張り合いのある暮らしを送ろうと思って、おぬしに託したというのに。おぬしの怪しさを信じて借金までしたのにおかしいじゃろ」とわけのわからないことを言い出す始末。

 ヘブンはヘブンで、真っ白な紙に“文学”ではなく、パラパラ漫画を描いていました。そのクオリティーの高さにはこれまたビックリですが……。


 夜、増やした大金を元の場所に戻すところを見られ、謝る司之介。おフミとおトキは呆れますが、「パパサン クマモト ツマラナイ? マツエ カエリタイ?」とヘブンは少しうれしそう。

 そんななか、「お取り込み中のところ」とおクマがやってきて、今朝はトーストじゃなくてもいいか、と尋ねます。なんでも、トーストを焼く網がなくなったとか。ここから「犯人はこの中にいる!」と、正木(日高由起刀)が名探偵コナンのようなことを言い出し、不穏な空気のまま終了となりました。

 先週とは打って変わってなんともゆる~いお話に。熊本編、大丈夫でしょうか。“神回”ならぬ“捨て回”にならないと信じております。

 それにしても、朝ドラの舞台になると、ファンが聖地巡礼に来るのでその経済効果も高いと聞きますが、今のところ熊本の良さがまったく出てきません。荒金九州男とかおクマとか、役名の安直さも気になります。どうせなら、いっそ、ウッチャンがコントでやっていた「九州男児」も出して欲しいものです。

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