著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(41)「お篠は『宮沢りえを脱がせたぜ』って子供みたいな…」

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田篠山紀信さんは宮沢りえさんのあのヌードを撮ったり、話題になる作品を多く残してますけど、それに対して典明さんはどう感じられていたんですか。以前も少しだけお聞きしましたが、もう少し詳しく」

加納「相変わらずお篠だなって感じ。宮沢りえというタイトルを彼は利用してるわけだよね、結果的に。そういうものを撮って、それだけの、要するに『誰も宮沢りえを脱がせたことないのに俺は脱がせたぜ』って、そういう意味で子供みたいな、いいところを持ってるわけだよ」

増田「そう読むわけですね」

加納「社会において俺はどう思われてるのか。社会にとって何をやったら一番俺は認められるのか、評判になるのか。そういう意識がこう、もう見え見えなんだよ、お篠ってのは」

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