【診断がつかない症状】 千葉大学医学部付属病院総合診療部(千葉市中央区)

公開日: 更新日:

「よくある病気で見逃されやすいのは、症状の出ている場所と原因臓器が離れているような場合です。頭痛の原因がうつ病だったり、肩の痛みが肝周囲炎という性病で起きることもあります。吐血や片腕に多数できた病変が、自作自演の虚偽性障害(心の病気)というケースも結構あります」

 心のストレスは痛みの閾値を下げる。全身の痛みの原因が、飼い犬が死んだことによるペットロス症候群だったケースもあるという。

 珍しい病気でも典型症状と違う場合がある。毎月2回、決まって右膝が腫れる症状で来院した女性の場合は、周期的に発熱症候群が起こる家族性地中海熱だった。普通なら腹痛、胸痛、高熱が典型症状だが、婦人科から紹介されたことがヒントになり、生理と排卵の時期に症状が表れることを突き止めた。膝だけが繰り返し腫れる症例は日本人の患者では初めてだ。

「私たちが診察で注目するのは、患者さんが受診するまでの行動や前医の受診歴です。そこに診断のカギがあるからです。診断のつかない病気は検査で分かるのではなく、患者さんから引き出した言葉にキーワードがあるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった