【腫瘍IVR】 国立がん研究センター 中央病院・IVRセンター(東京・築地)

公開日: 更新日:

「IVR」(インターベンショナル・ラジオロジー)とは、X線やCTなどの画像で体の中を透かして見ながら、カテーテルや針を使って行う治療法の総称。「画像下治療」とも呼ばれ、心臓や脳の血管内治療なども含まれる。体を大きく切開しないので、侵襲が非常に少ないのが最大のメリットだ。

 がんに対する腫瘍IVRを年間4000件以上実施している同院は、昨年12月にIVRセンターを開設した。病院長でもある荒井保明センター長(顔写真)は「腫瘍IVRでできる治療は、大きく2つに分けられる」と話す。

「ひとつは、肝がんに対する動脈化学塞栓術やラジオ波凝固療法、腎がんに対する凍結治療など、がん自体に対する局所治療。もうひとつが、症状や苦痛を緩和する治療です。IVRによる緩和治療は医療者でもまだ知らない人も多く、緩和IVRの普及にも力を入れて取り組んでいます」

 IVR発祥の米国や欧州でも緩和IVRはあまり行われておらず、国内でもさまざまな緩和IVRをすべて実施している医療機関は10施設にも満たない。年間1500件以上にのぼる同センターの緩和IVR件数は、世界をリードする数字だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ