体内に“接着剤”も 「下肢静脈瘤」治療事情が激変していた

公開日: 更新日:

■“傷口は”絆創膏でペタリ

 もうひとつは「スーパーグルー治療(日本では名称は未定)」。人体に害のない接着剤を血管内に入れ(写真①)、超音波の「探触子(センサーの役割を担う)」で静脈に圧を加え、静脈の血管壁をくっつけて血液の流れを遮断し(写真②)、血管を塞ぐ。

「レーザーやラジオ波のような熱を使わないので皮下出血、痛み、血栓ができない。皮膚にできる傷は、接着剤を入れるためにできた『刺し口』で、一般的な注射でできる針穴程度。多量の麻酔薬を必要とせず、患者の負担が非常に軽くなる」

 最新の方法では30分程度で終了。刺し口を絆創膏のようなものを貼るだけで、治療後の生活の制限は何もない。米国では、従来のストリッピング手術は今後消えていくだろうという声もある。

 日本でも、この先1年ほどで認可が下りるのではないかと期待が高まっている。下肢静脈瘤でいま治療を考えているなら、しばらく様子を見るのも手かもしれない。

 榊原医師は東京血管外科クリニックや江戸川病院など数カ所で次世代レーザー治療とスーパーグルー治療を実施している。費用は自費で数十万円かかる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発