薬学部志望の学生が激減… 薬剤師の魅力を高める対策が必要
大学薬学部の定員がどんどん減っています。今年1月、医療創生大学は2026年度から6年制薬学部の新入生募集を停止すると発表しました。姫路独協大学も25年度から薬学部の募集を停止しています。
募集停止とまではいかなくても、新潟薬科大学が名称変更とともに、薬学部の入学定員を30人削減するなど、薬学部の定員を縮小する動きが加速しています。特に私立大学では定員割れが常態化し、大学経営に大きな影響を及ぼしています。23年度、私立薬系大学60校のうち、定員充足率が90%未満の大学は27校にのぼり、うち7校は50%未満という厳しい状況です。
この背景には、00年代以降の薬学部新設ラッシュによる供給過多と、少子化による18歳人口の減少があります。さらに、薬学部の6年制課程の負担が大きいことも影響しているとの意見もあります。学費の高額さや長期間の学習負担が敬遠される要因となり、選択肢から外れるケースも出ているのかもしれません。
かつては安定した職業として人気を誇った薬剤師ですが、特に地方の私立大学では、地域偏在の問題も絡み定員減少が顕著です。これを受け、一部の大学では定員削減やカリキュラムの見直しなど、改革に取り組んでいます。