作家・なかにし礼さん救った執刀医のひらめきと“神の一手”

公開日: 更新日:

 ところが、いざ開胸してみたら、がんは想定以上に気管支に密着していて、何もせず閉じるしか手はありませんでした。しかし閉じる前、執刀医はある種のひらめきで、リンパ節にあるがんを気管支側に押している“静脈”をパチンと切っておいたそうです。がんを圧迫しないようにすれば、リスク回避ができるのではないかというわけです。

 結局、穿破しなかったのはこの“神の一手”のおかげでした。単に現状に対処するだけでなく、経験に裏付けされた“ひらめき”を駆使して先手を打つ。これが名医ですよね。おかげで今回も命拾いしました。

抗がん剤の副作用でうつ症状

 その後は、抗がん剤をメーンにしてがんを叩くことになりました。嘔吐や脱毛といった副作用は仕方ないと思っていましたが、4回目の抗がん剤治療で心が折れ、死にたくなった。自分らしからぬ状態だったので、抗がん剤の影響ではないかと薬剤師に相談してみると、「ままあります。先生に聞いてみます」と言われました。

 あまり知られていないけれど、実は抗がん剤の副作用にうつ症状もあったのです。そして、私がまさにそうでした。抗うつ剤を処方してもらったら、苦しみが半減しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ