著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

大橋巨泉さんの死因はモルヒネ系鎮痛剤の誤投与なのか?

公開日: 更新日:

 タレントの大橋巨泉さんが亡くなりました。最期の最期まで世の中に発信し続け、戦い続けたことは見事というほかありません。

 ただ、その時の夫人のコメントが、緩和医療の現場を揺るがしています。

「先生からは『死因は“急性呼吸不全”ですが、その原因には、最後に受けたモルヒネ系の鎮痛剤の過剰投与による影響も大きい』とうかがいました。もし、ひとつ愚痴をお許しいただければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与がなければ、と許せない気持ちです」というコメントがネット上で流れています。

 こうした発言の影響力は大きく、日々、在宅医療の現場で多くのモルヒネ系鎮痛剤を使っている身としては、ひとこと言っておかないと、という感じです。

 モルヒネの副作用として、「呼吸が抑制される」というものがあります。その呼吸抑制が死因のひとつというのはあり得る話です。痛みのコントロールが十分でないために投与量が多くなったり、あるいは痛みがひどく短時間で薬の量を増やす場合など、呼吸抑制を経験することはしばしばあるからです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋