死亡者はHIVより多い 「結核」は“現在進行形”の病気だ

公開日: 更新日:

 その理由は、「過疎地で治療を受けられる病院へのアクセスが悪い」「国の資金力がないために対応がうまくできない」「病院にたどり着いても十分な診断ツールがない」など、さまざま。「いずれも海外の問題。日本では結核対策が十分に行われているのではないか」と思う人もいるだろう。たしかに、結核で特に問題になっているのは途上国だ。

「しかし、日本は国内では結核の発症率は下がっていますが、ほかの先進国に比べると高い。また、日本国内の結核対策だけでは不十分。今は、国から国へ、容易に、頻繁に移動する時代だからです」(世界エイズ・結核・マラリア対策基金シニア疾患コーディネーター結核担当のエルド・ワァンドァロ医師)

 そもそも、日本は医療技術は進んでいるとはいえ、前出のAさんやその主治医の例を挙げるまでもなく、結核の正確な知識が浸透しているとは言い難い。

 結核は「現在進行形の病気だ」としっかり認識することが第一歩。結核の症状である咳、だるさ、発熱、食欲不振は、風邪などのありふれた症状でも見られる。しかし2週間以上続くようなら、呼吸器内科などで検査を受けるべきだ。診断・治療が遅れれば、エロイザさんのように多剤耐性結核に至ったり、脳などへ感染が広がることもある。

 市販の風邪薬で症状が治まる場合もあるが、結核の場合、1週間ほどで症状がぶり返す。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性