糖尿病の下肢切断を回避 注目の「PRP療法」を詳しく知る

公開日: 更新日:

 下肢切断しかない、いわば万策尽きた患者が対象だが、PRP療法を実施した22症例のうち、16症例が治癒。これはかなりの好成績だという。潰瘍の範囲が広ければ、健康な皮膚を小さく切り、潰瘍部分に適度に置く「ピンチグラフト」という治療と組み合わせる。

「ただし、PRPを塗れば治る魔法の治療と考えるのは間違い」と、治療を担当する菅谷文人主任医長は指摘する。

「皮膚潰瘍は糖尿病だけではなく、静脈うっ帯や膠原病などさまざまな原因が重なって起こる。これらの原因改善を併せて行わなければ不十分です」

「たばこをやめたくないが、切断は嫌」とPRP療法を求めるのは本末転倒。さらに「150平方センチ以上の広範囲の症例」など、いくつかの項目に該当する場合はPRP療法でも治癒が難しいと研究でわかっているため、治療を希望する前にチェックが必要だ。

「PRP療法の希望者には、皮膚潰瘍の治療がそもそも正しく行われていないケースも少なくありません。まず傷の専門家である形成外科を受診し、現在の治療が適切かを確認することを勧めます」(菅谷主任医長)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景