著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

安藤忠雄さんはがんで臓器を5つ摘出しても1日1万歩生活

公開日: 更新日:

 ぜひ参考にしてほしいことがあります。建築家安藤忠雄さん(76)の生きざまです。展覧会の開催に合わせて各メディアに掲載されたインタビューには、「内臓がなくても問題ない」と書かれていて、がんで5つの臓器を摘出したことを笑い飛ばしていたのです。

 2009年にがんを発症。胆のう、胆管、十二指腸を摘出。14年には、膵臓と脾臓も摘出したといいます。断定はできませんが、臓器の摘出状況から考えると、安藤さんは膵臓がんで、そのための手術を2回受けたのかもしれません。

 そうだとすれば、1回目は膵頭十二指腸切除で、2回目は膵体尾部切除の可能性があります。前者は、外科手術の中で最も切除範囲が広く、「大手術」の代名詞。膵臓の右半分の膵頭部のほか、十二指腸、胆管、胆のう、さらに胃の一部や膵頭部の周りのリンパ節なども切除。2回目で、残った膵臓の一部と脾臓まで切除したとしたら、当然、体調に与える影響は大きい。

 さすがに当時は絶望したそうですが、そこは大阪生まれの明るい性格。「失敗してもその次、さらに次を考えて前に進んできました。何があってもへこまない」と語っていたのが印象的でした。

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