30年で3倍 “隠れ”だけで約1000万人の脂肪肝を侮るなかれ

公開日: 更新日:

 肝臓に中性脂肪が蓄積する脂肪肝の患者数は、この30年間でおよそ3倍に増え、約3000万人といわれている。健康診断の血液検査では、AST(GOT)や、ALT(GPT)が基準値を超えた場合に疑われる病気のひとつだ。

 実は、その中には自覚症状もなく健康診断の血液検査でも分からない、“隠れ脂肪肝”も含まれる。もともと、脂肪肝は日常的に飲酒習慣がある人のリスクが高く、アルコールが原因と考えられてきた。だが、原因はアルコールだけではなかった。“食べ過ぎや運動不足が原因”の脂肪肝が増え続けている。それが“隠れ脂肪肝”で、脂肪肝患者のうち約1000万人が該当するというから驚きだ。

 しかも、脂肪肝を放置すると、「患者のおよそ2割近くが炎症を起こし細胞が壊れる」(専門医)といわれ、やがては肝臓が線維化して肝硬変に至る――。こうなっては、もはや健康な肝臓に戻れない。肝臓がんに進行する可能性は大きいし、胃がんやすい臓がん、肺がんなど、他の臓器のがんの発生リスクが2倍以上に増大するというから絶望的と言ってもいい。

 最新の「がん統計(2018)」によると、がんの罹患率は、「男性62%、女性47%」。相変わらず男性はがんにかかりやすい。また、2017年にがんで亡くなった人は、37万3334人。男性は22万398人、女性は15万2936人。部位別(男性)では――。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋