著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

「血液サラサラ」心筋梗塞予防にどこまで関係しているのか

公開日: 更新日:

 冬は血管が縮み、血液が固まりやすくなる季節です。実際、血の塊(血栓)ができて動脈を塞いでしまい、脳梗塞心筋梗塞などの病気が増えます。納豆やタマネギなど血液を「サラサラ」にするといわれる食べ物は、これらの病気の予防に良いといわれています。

 俗にいう「血液サラサラ」とは、健康的な血液がよどみなく流れるイメージを表現したものです。人工の毛細血管に流れる血液の成分を拡大観察できる機器(MC―FAN)を使って観察し、円滑に流れる血液を「サラサラ血液」、そうでない血液を「ドロドロ血液」と呼んだものです。生活習慣病や動脈硬化症があると血液はドロドロになるといわれ、「サラサラ」の食品を食べると改善するといわれています。

 しかし、この「サラサラ」は血球を人工毛細血管に流して速度を測定したもので、冠動脈や脳・末梢動脈などの中程度の血管で血栓ができる状態を調べているわけではありません。

 これで分かる血液ドロドロの状態で、本当に心臓血管病に関わる動脈や静脈に血栓ができやすくなるのでしょうか?

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」