著者のコラム一覧
酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

「筋肉革命95」による筋肉増進で医療費を削減できるのはなぜか

公開日: 更新日:

 今年8月末、厚労省が病気やケガなどの受診で医療機関に支払われた2024年度の医療費の概算を公表しました。その総額は48.0兆円で、4年連続で過去最高を更新したそうです。このままいくと、2040年には医療費が80兆円に到達すると厚労省は試算しています。

 病気やケガで後遺症が残ってしまった人や、加齢で身体機能や認知機能が低下してしまった高齢者にとって、人間力を回復するためのリハビリや介護はもちろん重要です。ただそれと同じくらい、リハビリや介護が必要にならないようにするための健康寿命延伸対策が大切です。その方法を解説したのが4月に上梓した新著「筋肉革命95」になります。

 同書で詳しく解説している「酒向メソッド」をより多くのみなさんが実践すれば、冒頭で触れた日本の医療費は3割削減できると考えています。現状からおよそ15兆円近い金額を減らせるのです。

 筋肉、骨、脳が萎縮し始める50歳を目安に取り組む「筋肉革命95」は、80歳で60代の筋肉と骨と脳、90歳で70代の筋肉と骨と脳を保ち、80代でも8割がゆったりと就労できて、95歳まで非介護であることを目標にしています。そのために重要な基盤が、酒向メソッドによる全身の筋力と体力を向上する筋肉増進です。

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