著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

能力を伸ばす極意とはプロセスを丁寧に褒めること

公開日: 更新日:

 また、カリフォルニア大学サンディエゴ校の「褒められて育った子供は困難に直面するとズルをする傾向が強い」という研究結果も興味深いでしょう。この実験は中国東部で行ったのですが、300人の子供に数字カードを使って推理ゲームを行い、続けていく上で、頭の良さを褒めた子供と、一切褒めない子供に分けました。

 途中、あえて研究者が席を外して、その動向を見守ると、褒めた子供たちの方がカードの数字をのぞき見たりしていたという結果になったそうです。これは、褒められた経験から「また褒められたい」という気持ちが募り、手段を選ばなくなったのではないかと推測されています。ただし、この実験結果が日本人に当てはまるかは一概にはいえません。

 日本人は他国に比べると自尊心が低いことが明らかになっています。日本青少年研究所が、日本、米国、中国などの中高生を対象に「自分はダメな人間だと思うか?」と聞いた調査では、「ダメだと思う」と答えた学生が、米国と中国は20%未満だったのに対し、日本はなんと約60%にも上っています。それほど日本人は自己評価が低い傾向にある。だからこそ、プロセスを丁寧に褒めてあげると子供の自信につながり、さらには子供たちが考えながらスキルを磨く“種”になるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」