著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

池江璃花子は順調に回復 白血病AYA世代の妊娠・出産対策

公開日: 更新日:

「2年前の自分に、2年後はもっと笑顔になれるよって伝えてあげたい」

 競泳女子の池江璃花子さん(20)が8日、自らのSNSを更新。2年前のこの日は、ちょうど白血病が発覚した日で、どん底から頑張って競泳生活に戻った自分にエールを送っています。

「1年前はまだ退院して間もなくて、免疫抑制剤も飲んでたし、吐き気もあったかなぁ? よくここまで頑張った」

 その前の日の7日に行われた大会では、50メートル自由形で東京五輪の派遣標準記録に迫る好記録で2位に入るなど、体力も順調に回復しているのは何よりです。

 池江さんが白血病を発症したのは18歳。15~39歳を英語の頭文字をとってAYA世代と呼び、この世代のがんが注目されています。15歳以上のハイティーンと14歳以下は白血病がトップ。さらにハイティーンと20代は、男女とも生殖器のがんも多いことが知られています。AYA世代のがんで問題になるのが、妊娠できる可能性(妊孕性)をいかに残すかということです。

 一般論として白血病やリンパ腫など血液腫瘍の治療として骨髄移植がなされるケースでは、その前処置として大量の抗がん剤投与と放射線の全身照射が行われます。そのダメージにより、女性は卵巣機能、男性は精巣機能が損なわれやすいのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?