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佐野靖子ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師

ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師。順天堂大医学部卒。同大産婦人科入局後、非常勤助教を経て現職。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会専門医。専門は更年期障害、女性のヘルスケア。

低用量ピルを使うとニキビが治るというのは本当なのか?

公開日: 更新日:

■ピルは男性ホルモンの「運び屋」を増やす

 それではピルが男性ホルモンを抑えるしくみはどのようなものでしょうか。まずピルには卵巣や副腎での男性ホルモンの産生自体を抑える作用があります。またピルには性ホルモンの運び屋であるsex hormone binding globulin(SHBG)を増やす作用があります。

 SHBGは男性ホルモンを乗せて全身に運んでくれますが、運ばれている間、男性ホルモンは機能しなくなります。ピルでSHBGが増えれば、たくさんの男性ホルモンがSHBGに乗せられ機能しなくなるので、男性ホルモンの活性は相対的に弱まるというわけです。

 最後に、男性ホルモンにもいくつか種類があり皮脂腺に直接作用する最強型があります。ピルにはこの最強型への変化を阻害する作用もあります。ピルはこのようにトリプルの作用でニキビをできにくくします。

 と、ここまでの仕組みはわかったけど、「本当に減るの?」と疑う方もいるでしょう。これは実際に調べられています。

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