著者のコラム一覧
佐野靖子ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師

ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師。順天堂大医学部卒。同大産婦人科入局後、非常勤助教を経て現職。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会専門医。専門は更年期障害、女性のヘルスケア。

知っておくべき避妊薬としてのピルとコンドームとの関係

公開日: 更新日:

 ピルが避妊薬であることはご存じでしょう。しかしピルには避妊や病気の治療のために毎日飲む低用量ピル、生理の移動に一時期のみ使う中用量ピル、緊急避妊に使うピル、など様々な種類があります。

 今日はこの中でもピルの代表選手である低用量ピルが避妊効果を発揮する仕組みについて説明します。

 低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンが含まれています。

 普段の生理周期では脳から卵巣に命令が出て、卵巣からホルモンが分泌され、排卵が起こります。しかしピルを飲んでホルモンが体の中に取り込まれると、脳は卵巣からホルモンが出ていると認識し、命令を出さなくなります。その結果、排卵が起きなくなり、避妊効果があらわれます。

■ピルは脳をだまして排卵をストップさせる「偽妊娠療法」

 この仕組みは妊娠した動物の卵巣からは排卵が起きず、次の妊娠が成立しないことをヒントに発見されました。つまりピルを飲むことで妊娠に似せたような状況を再現するので、「偽妊娠療法」とも呼ばれます。また、ピルに含まれるホルモンにはおりものをねばっこくして子宮内への精子の侵入を防いだり、子宮内膜を薄くして卵を着床させにくくしたりする効果もあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋