ギター講師の黒河内直樹さん語る「局所性ジストニア」との壮絶闘病

公開日: 更新日:

 結論から言えば、少しは良くなりました。ですが今度は手術の副作用で大変でした。右半身に力が入らなくなり、最初は真っすぐ立つこともできませんでした。一番困ったのはろれつが回らなかったこと。歯科治療で麻酔されたときのような状態が続き、言葉が伝わらないのがつらかった。作業療法と理学療法と言語のリハビリに通いました。ろれつが気にならなくなるまで18カ月かかりました。

 自分が構築してきた運動学習をまた地道に繰り返し、現在2回目の手術からおよそ5年がたちました。まだ完璧ではないですし、疲労がたまるとこわばりの症状や、ろれつがおかしくなったりもするんですけど、少しずつギターは上達しています。

 病気になる前は、ひたすら好きなギタリストの真似をして、弾けないと「練習が足りない」と自分を追い込みました。それが症状の悪化を招いてしまったと思います。でも、ひとつ病気になってよかったことがあるとするなら、それまでの弾き方を外科的にゼロにして、新たに自分に合った弾き方を再インストールできたこと。学び直すチャンスを得たことです。

 根性論ではなく、体のどこをどう使ったらいいのかを示すことで、長く一生演奏を楽しめる弾き方を構築していく。そんな教室ができたのも、この病気を経験したからこそだと思います。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景