著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

ソーシャルメディアユーザーはうつ病を発症しやすい? 米国医師会誌に論文

公開日: 更新日:

 ソーシャルメディアの利用が抑うつ症状をもたらす可能性について、これまでに複数の研究データが報告されています。しかし、ソーシャルメディアを積極的に利用している人では、そもそも抑うつ症状を有している可能性が高いという指摘もあり、両者が因果関係にあるのかよく分かっていません。また、報告されている研究の多くは、若年層を対象とした調査でした。

 そんな中、米国医師会のオープンアクセス誌に、ソーシャルメディアと抑うつの関連を検討した最新の研究論文が、2021年11月1日付で掲載されました。

 この研究は、2020年5月から2021年5月において、米国で毎月実施されたインターネット調査の結果を解析したものです。初回の調査で抑うつ症状を認めず2回目の調査で抑うつ症状の度合いについて回答を得られた5395人(平均55.8歳)が対象となり、フェイスブック、インスタグラム、リンクトイン、ピンタレスト、ティックトック、ツイッター、スナップチャット、ユーチューブの利用状況と抑うつ症状を有する人の変化が比較されました。  その結果、スナップチャット、フェイスブック、ティックトックの利用者は、そうでない人に比べて抑うつ症状を有する人がそれぞれ1.53倍、1.42倍、1.39倍、統計的にも有意に増加していました。年齢別に解析したところ、スナップチャットとティックトックの利用は35歳以上で抑うつ症状の増加に関連していましたが、35歳未満では関連性を認めませんでした。対照的にフェイスブックでは35歳未満で抑うつ症状の増加に関連していましたが、35歳以上では関連性を認めませんでした。

 論文著者らは「ソーシャルメディアの影響を理解するためには、さらなる研究が必要」と結論しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去