顔をさらすのが怖い…1億総マスク依存症を精神科医が懸念

公開日: 更新日:

 緊急事態宣言が解除され、元通りの日常がやってきたとはいえ、いつまた新型コロナウイルスが襲いかかってくるかわからない。感染予防のためにも、まだまだマスクは必須である。しかし、このまま漫然とマスクを着けた生活を続けると、新型コロナの流行が過ぎ去っても、マスクを着けないと不安な気持ちになる「1億総マスク依存症」の時代が訪れかねない。

「『マスク依存症』という病名が初めて使われたのは、一説によると2010年ごろ。中高生から始まったこの現象は、思春期にありがちな他人の目を過剰に意識しすぎるという一過性のものに終わらず、たちまちのうちに大人の間でも目立つようになりました」

 こう解説するのは、アルコールや薬物など、さまざまな依存症患者の治療にあたる榎本クリニックの深間内文彦院長。深間内院長によると、マスク依存症の患者の中には家で家族といるときにもマスクを着用し、自分の部屋でひとりになれたときにのみ、ようやく外す人も少なくないという。

「昔はマスクをしてのコミュニケーションは相手に失礼にあたると考えられていましたが、最近は『風邪をひいている』と言えば特にとがめられないようになりました。いわば、マスク着用は公衆衛生上のお墨付きをもらえるようになったわけです。そこにきてこのコロナ禍で、マスクは誰もが着けていることが当たり前のアイテムになりました。結果として、このコロナ禍がマスク依存の患者数を加速度的に増大させることは、もはや間違いがなさそうです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」