著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

心臓病のリスクをアップさせる「超加工食品」について考える

公開日: 更新日:

 フランスとブラジルの共同研究グループが実施した研究では、超加工食品を多く食べる人は心血管疾患の発症リスクがアップすることがわかりました。フランスの一般住民が参加した疫学研究のデータを用いて18歳以上の男女10万5159人を平均5.2年にわたって追跡したところ、食事に占める超加工食品の割合が10%上昇するごとに、すべての心血管疾患で12%、心筋梗塞などの冠動脈疾患で13%、脳梗塞などの脳血管疾患で11%のリスク上昇が認められたといいます。

 また、米国ニューヨーク大学の研究でも、超加工食品は心血管疾患のリスク上昇と関係していると報告しています。

 1940年代にスタートしたフラミンガム研究に当初参加した人々の子孫を対象とした「フラミンガム子孫研究」から、平均年齢53.3歳の3003人のデータを解析したところ、毎日1サービング(1食分として食べる量)の超加工食品が増えるごとに、重症の心血管疾患のリスクが7%増加していました。また、すべての心血管疾患のリスクも5%増、心血管疾患による死亡リスクは9%増加することもわかりました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず