白髪を科学する(3)抗白髪製品…カラートリートメントとの違いは?

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 白髪になる人はこうしたメラノサイトサイクルのうち、①色素幹細胞が衰え十分なTA細胞が供給されない②供給されたTA細胞がうまく毛乳頭周辺に配置されない③配置後、十分な量まで増殖する能力がない④色素細胞があってもメラニン合成活性が失われている……といった異常事態が起こっていると考えられている。

 そこで、医薬品・化粧品メーカーなどはこの4つのポイントをターゲットにした「白髪に効果が期待できる生薬抽出物」の開発を進めている。

 たとえば、サンショウエキスやホップエキスはメラノサイトを、レイシエキスは毛包メラノサイトを、ヤーバサンタは色素幹細胞を、ボタンピエキスはメラノサイト内のミトコンドリアを、それぞれターゲットにして、遊走活性化、増殖活性化、幹細胞維持、色素顆粒輸送活性化などを目指している。

 つまり、抗白髪製品は、髪の毛の表面に色をつけるカラートリートメントとは異なり、白髪を根元から元の色に変えようとするものだ。

 しかし、白髪の8割はメラノサイトが存在せず、残り2割は存在しても毛髪に十分な色素を与えることができない。そのため、いくらメラノサイトを含むメラノサイトサイクルを刺激・活性化しようとしても、必ずしも満足できる成果が上がっていないのが実情だという。 (つづく)

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