著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

目薬の正しいさし方…点眼後にまばたきはしない

公開日: 更新日:

 先日、ヘルパーさんから「点眼薬(目薬)」をさす順序について質問がありました。複数の点眼薬を使う場合、点眼の間隔を5分以上空けていれば配合変化などの影響は少ないとされていますが、それでも後から点眼された液によって前の点眼薬が洗い流される可能性があるため、原則としてより効果を期待する点眼薬を後にさします。

 また、水に溶けにくく吸収されにくい懸濁性点眼薬、油性点眼薬、点眼後ゲル化する点眼薬は、後に用いるほうがよいとされています。一般的には、水溶性点眼薬↓懸濁性点眼薬↓ゲル化点眼薬↓眼軟膏及び油性点眼薬(水溶性点眼薬をはじいてしまう)の順序で点眼します。点眼間隔は一般的には5分以上とされているのですが、一部の点眼薬は10分以上とされているものもあるため、薬剤師に確認しておくとよいでしょう。

 ところで、目薬の成分を十分に行き渡らせるために「点眼後にまばたきしたほうがよい」といった意見を聞いたことがあるのですが、これは間違いです。点眼直後にまばたきを繰り返すと、目薬の成分が涙と一緒に鼻に流れていってしまうため、点眼薬の効果が弱くなる可能性があるのです。点眼後に口の中で苦味を感じるケースがあるのもこのためです。さした後は目を閉じたまま少し安静にするのがよいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」