重症型ウイルス初上陸…「第二の天然痘」エムポックスが日本で騒がれない理由

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■重症化には「テコビリマット」

「日本の感染症の専門家の多くが過度な反応を見せない理由は、過去の報告ではクレードⅠの致命率はⅡよりも高く、最大11%とされましたが、今回の流行では適切な治療法を施すことで、かなり抑えられたことがわかっているからです。実際、クレードⅠaは1.4~1.7%、Ⅰbも1%以下と報告されていて、アフリカ以外でのクレードⅠの死亡例は報告されていません」

 現在、日本で行われているエムポックスの治療は症状を和らげる支持療法が基本。発熱や痛みに対する解熱鎮痛剤の使用、皮膚病変へのケア、水分補給や栄養管理、皮膚の2次感染や肺炎などの合併症への対応などだ。

 重症化のリスクがある場合には、日本では抗ウイルス薬の「テコビリマット」の備えがある。

「ウイルスが感染細胞から外に出るのを防ぐ薬で、体内でのウイルス拡散を抑える働きがあります。とくに天然痘ウイルスやエムポックスなどのオルソポックス属のウイルスに対して開発された薬で、昨年末に薬事承認され、現在は特定臨床研究の枠組みで使用可能となっています。万一のときは、これを切り札にすればよいとの考えがあるようです」

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