(2)疲れが取れない、やる気が出ない…元気ホルモン不足かも
なぜテストステロンが減ると問題なのか。わかりやすく言えば、テストステロンは体の“エンジンオイル”。骨格を太くし、筋肉を維持し、心身にやる気を与えるホルモンです。だからこそ「元気ホルモン」と呼ばれるのです。オイル切れのまま車を走らせればエンジンが壊れるように、テストステロン不足を放置すれば体も心もガタがきます。
ただし、何事もバランスが大切。多ければ良いというものではなく、不足した人に必要な量を補う「さじ加減」が重要です。そこが医師の腕の見せどころでもあります。
最近では「プレゼンティーズム」という言葉が注目されています。出社はしているけれど、疲労や集中力低下で力を発揮できない状態のこと。実はこれ、男性更年期障害の症状と非常によく似ています。社会全体にとっても見過ごせない損失なのです。
治療でテストステロンを補充すると、「集中できるようになった」「疲れにくくなった」と語る患者は少なくありません。つまり、働き盛りの男性のパフォーマンスを支えているのも、元気ホルモンの力なのです。研究も進みつつあり、今後はビジネス現場での健康管理のキーワードになる可能性があります。