アマチュア写真家が群がる 山中の「絶景スポット」
たまに田舎道をドライブすると、思いがけない光景を目にすることがある。福島県で見かけたアマチュアカメラマンの“集団”もそのひとつ。
東北道須賀川ICの近くで所用を済ませ、初めて走る県道(67号)を猪苗代湖方面に向かった。途中、峠越えがある山道で、舗装はされているものの、車がすれ違うのも難しい一本道。右に左に、緊張しながらハンドルを切り続け、30分ほどで急な下り坂に入った。
10分ほどで緩やかな下りになった。杉林の真っただ中を走る。峠道を上り始めてからすれ違った車はたった2台。たまにはこんなドライブも悪くはない。
人っ子ひとりいない杉林を抜けると、左右に真っ白い花が咲く畑が見えた。ソバの花だ。低い方に向かって、長方形のソバ畑が何枚も連なる。休耕田を利用してソバを育てているのだろう。
と、前方にいきなり停車中の車の集団が見えた。
「何だ?」
カメラマンだ。ソバ畑のあぜ道に入り、白い花をなめるようにしてシャッターを切る人が10人、いや15人はいる。そしてレンズのずっと先には磐梯山がそびえていた。フレームに収まる風景を想像しただけで美しさが目に浮かぶ。ここは知る人ぞ知る絶景スポットなのだ。