味の素は7時間労働へ 広がる“残業ゼロ”の傾向と最善策
うらやましい話だ。味の素は来年4月から1日の所定労働時間を20分短縮して、7時間15分にするという。サラリーマン社会は1日8時間勤務が相場だから、45分も短い。しかも有給休暇はそれまで通り十分消化でき、基本給もそのまま。同社の平均年収は923万円に上る。部長クラスなら、年収1000万円の大台も夢じゃない。なんとかあやかれないものか。
“味の素にならえ”で就業時間を45分短縮することは難しくても、働き方の工夫で残業時間を減らすことはできる。管理職として部署の残業時間をゼロにできれば出世のアピールになるし、社員にとっては浮いた残業代が給料アップの原資になる。残業ゼロを目指すのは悪い話ではないが、どうやるか。
「私は現役時代、社員と相談して、午後8時(一般職は7時)にパソコンがシャットダウンする仕組みを取り入れたところ残業時間が大幅に減った」と言うのは、「100回言ってもできないダメ部下を動かす上司の言葉」などの著者で、SBIモーゲージ元取締執行役員常務の横山信治氏だ。
「管理職は残業代がつきませんが、長年の習慣でダラダラ仕事をしている人が少なくありません。だから、まず上司の意識改革が第一です。それを部下と一緒に実現するためにミーティングを重ねて編み出したのが、8時撤収でした」