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【ガリの醤油煮】どっさり仕込もう

鮓職人 秦野よしき(東京・麻布十番)

 寿司屋の口直しと言えばガリだが、メディアに持ち上げられるような名店でも、業務用の出来合いを使っているところが実は少なくない。

「手間がかかりますからね。寿司屋のガリはお客さまへの奉仕品。つまりタダです。お茶もそう。でもボクは、タダだからこそ手を抜きたくない。そこに力を注ぐのが、職人の意地であり美学。なあんて、ちょっとカッコ良すぎますかね」

 秦野さんが店で出すのは、もちろん自家製。仕込みから客の口に入るまで10日間もかかるが、手間を惜しもうとは思わない。そんな秦野さんが握る寿司に供されるのは、サイコロ状に角切りしたものと、スライスして甘辛く煮付けた2種類のガリ。業務用を使っていてはできない芸当で、酸味を抑えショウガの風味が立ったそれは、「酒のすすむガリ」と評判である。

 今回、紹介してくれた「ガリの醤油煮」は、自宅でも手軽につくれるように工夫したもの。量を多くつくればつくるほどうまくなるという。辛口の日本酒に合わせれば、ガリの概念が変わる。

《材料》
・生のショウガ 500グラム
・醤油 200㏄
・みりん 100㏄
・酒 100㏄
・砂糖 100グラム
・はちみつ 少々
・かつおぶし 4パック

《レシピ》
(1)ショウガの皮をむき、薄くスライスしたら、調味料とかつおぶしを入れた鍋で煮る。
(2)弱火で炒め煮し、水分が飛んだら完成。

今日の達人 秦野芳樹さん

▽はたの・よしき
 東京都調布市出身。国士舘大学法学部へ入学と同時に寿司店での修業を始める。赤坂、銀座、白金台の有名店で腕を磨いて25歳で独立。2013年、麻布十番に「すし道」を開店。15年6月に店名を現在のものに改めた。学生時代に剣道、柔道で鍛えた屈強な体とは対照的な、人懐こい笑顔と繊細な料理で各界著名人にもファン多数。

▼鮓職人 秦野よしき
 趣向を凝らしたツマミと江戸前の伝統を守りながらも独自の工夫を加えた握りが自慢。フルネームの屋号には「仏、伊料理では当たり前。ライバルはジョエル・ロブションです」との決意が込められている。メニューは1万5000円のおまかせのみ(消費税、サービス料別)。
港区六本木5―11―25 3F
℡03・3475・4004

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