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【牡蠣の変わり南蛮】芳醇バルサミコ酢ソースでうま味倍加

鮓職人 秦野よしき(東京・麻布十番)

「実は私、牡蠣が大の苦手なんです。でも、旬の時季に寿司屋が牡蠣を出さないのはおかしいでしょう。で、牡蠣嫌いの自分でもおいしく食べられるものを、と工夫したのが今回の一品です」

 牡蠣の風味とうま味を生かしながら、苦手な生臭さを消すにはどうしたらいいか。酢を使った南蛮漬けにしようと思いついたが、普通の酢を使っては面白くない。そこで、バルサミコ酢の登場だ。店では、ソースにカシスのリキュールを加える。

「ただし、ご家庭ではお勧めできません。リキュールを使って熱すると、ボワッと火が出て危険ですから。なので、ソースはハチミツと赤ワインを使ったものにアレンジしました。カシスリキュールの甘味と香りはそれで補えます」

 カリッと揚げた牡蠣を噛むと、ジュワッと口に広がるうま味。芳醇なバルサミコ酢とほのかに甘いソースがそれを倍加させる。なにしろ、牡蠣嫌いだという大将が工夫を凝らしたツマミだ。苦手な人にこそ、ぜひ、試してもらいたい。

 《材料》 
・牡蠣(加熱用) 1パック(100グラム)
・バルサミコ酢 100㏄
・ハチミツ 少々
・赤ワイン 20㏄
・砂糖 大さじ1
・かたくり粉 適宜

 《レシピ》 
(1)水気を切った牡蠣にかたくり粉をまぶし、180度に熱した油で表面がカリッとなるまで揚げる。
(2)バルサミコ酢、ハチミツ、赤ワイン、砂糖を鍋に入れ、中火で煮詰める。
(3)ソースの水分が飛んだら火を止め、揚げた牡蠣に絡ませて完成。

今日の達人 秦野芳樹さん

▽はたの・よしき
 東京都調布市出身。国士舘大学法学部へ入学と同時に寿司店での修業を始める。赤坂、銀座、白金台の有名店で腕を磨いて25歳で独立。2013年、麻布十番に「すし道」を開店。15年6月に店名を現在のものに改めた。学生時代に剣道、柔道で鍛えた屈強な体とは対照的な、人懐こい笑顔と繊細な料理で各界著名人にもファン多数。

●鮓職人 秦野よしき
 趣向を凝らしたツマミと江戸前の伝統を守りながらも独自の工夫を加えた握りが自慢。フルネームの屋号には「仏、伊料理では当たり前。ライバルはジョエル・ロブションです」との決意が込められている。メニューは1万5000円のおまかせのみ(消費税、サービス料別)。
港区六本木5―11―25 3F
℡03・3475・4004

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