佐々木俊尚さん<4>東電OL事件記事の反響をペルーで知った

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 警視庁捜査1課担当のキャップだった1997年3月、東電OL事件に携わりました。京王井の頭線神泉駅前の2階建てのアパートの一室で女性の遺体が見つかった。被害者は東電に勤める慶大卒のエリートで、立ちんぼの売春をしていたことが分かった。それで売春を記事にするかどうか社内で議論になったのです。最初は実名で報道していたんですが、既に週刊誌などでは書いているので無視するのも変だし、他紙は匿名に切り替えたけど、それも変だということで、警視庁クラブのキャップやデスクと相談し、署名入りのサイドストーリーに盛り込みました。彼女と最後に会ったのは大学教員で、別れ際に道玄坂の交番の横で3万8000円を渡した、ということを書いたんです。そしたら、「毎日新聞は被害者の人権を侵害している」と批判されてしまいました。

 この記事を書いた後、3月の終わりからペルーの日本大使公邸占拠事件を担当しました。〈もうすぐ犯人とペルー政府が、人質を解放して犯人がキューバに出国する〉という情報があって、「犯人と一緒にキューバに行きなさい」と命じられた。向こうに行ってから、東電OLの記事の反響を知りました。「おまえのせいで大変だぞ」と言われた記憶があります。

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