浅野史郎さん<4>死ぬまで障害者施設にいさせるのは疑問だ

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 年金改正法が成立する少し前の1985年4月、人生の転機を迎えた。北海道民生部福祉課長として北海道庁に赴任したのだ。

「肩書は民生部福祉課長でしたが、実態は障害福祉課長です。その後の人生のライフワークとなる障害福祉の仕事と本格的に関わるようになったのが、北海道時代からでした。(厚生省)入省後の研修で感じた疑問が、ここで結びついたのです」

 研修リポートには、「彼ら(障害者)はなんのために生きているのか」と記していた。福祉課長の仕事は、障害者の幸せを具現化することだろうと漠然と思った。では、何をやれば幸せか。そう思いを巡らせると、障害者の悩みを知るため、現場へ出る。そこで、つらい現実を思い知ることになった。

「知的障害者の更生施設を視察すると、100人ほどの入所者がみな、どよーんと沈んでいました。更生とはリハビリのことで、社会復帰に向けて訓練する場所のはずです。当時の僕の認識はそうでしたが、現実はまったく違いました。6時半に起床して8時に朝食をとると、昼食までは自由。それから15時まで自由に過ごしたらお茶を飲んで、夕食まで各自過ごして、21時に消灯。大ざっぱにそんなスケジュールで、社会復帰のためのプログラムがなかった。しかもほぼ全員、亡くなるまでいるのです」

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