奥野修司
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奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

EUに無農薬日本茶を輸出し…日本人は農薬つきを飲んでいる

公開日: 更新日:

 日本の農薬の基準値がいい加減になったのは、1970年代に勃発した「日米レモン戦争」からではないだろうか。当時、レモンのほとんどはアメリカから輸入されていた。日本へ運ぶため、何カ月も船に積み込むからカビが発生しやすい。そこでポストハーベスト農薬としてオルトフェニルフェノール(OPP)やチアベンダゾール(TBZ)などの防カビ剤が使われた。これらの農薬が混ぜられたワックスが、レモンやグレープフルーツに塗られたのである。

 ところが、日本ではこれらの防カビ剤は許可されていなかった。そこで日本は米国産柑橘類を輸入しないように警告を出した。

 アメリカは激怒し、自動車の輸入を制限するなどの圧力をかけてきたのだ。そこで日本は苦肉の策として、これらの農薬を、なんと食品添加物として認可したのである。農薬が食品添加物なんて聞いたことがないが、これが国力の差ということだろう。

 その後もアメリカの要求に従って基準値はどんどん下げられた。「忖度」ではないが、アメリカに配慮して基準値をゆるめてきたともいえる。たとえば、2013年に冷凍食品から検出された事件で問題になった猛毒マラチオンは、国産米の基準値が0.1ppmなのに輸入小麦は100倍の10ppmである。

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