奥野修司
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奥野修司ノンフィクション作家

大阪府出身のノンフィクション作家。2006年、「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。著書に「ねじれた絆」「魂でもいいから、そばにいて」などがある。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「怖い中国食品、不気味なアメリカ食品」(講談社文庫)も。

“ガラパゴス化”する野菜 深緑色のホウレン草が危ない理由

公開日:

 農薬を大量に使う理由はまだある。

 スーパーの陳列棚をのぞいていただくと、21センチ前後のキュウリが並んでいるはずだ。ホウレン草も30センチほどで、どちらも深緑色である。もちろん虫食いの跡はない。もしこのホウレン草が深緑色ではなく、若竹色だったら買うだろうか。キュウリが黄色っぽくてふた回りほど大きい40センチだったら買うだろうか。普通は「黄ばんでる」として返品の対象になる。

 しかし、食べてみると若竹色のホウレン草は実においしい。黄緑色のキュウリも味に深みがあり、まるで別の野菜を食べているようだった。もちろん、虫が食った跡があって形もいろいろだったが……。

 ところが私たちは、虫食い跡がまったくない深緑色のホウレン草がおいしいと思っている。緑が濃い方が鮮度はいい。形のいいのが高級品である。流通業者の宣伝かどうか、日本人はいつの間にかこう信じてきた。だから若竹色の40センチもあるホウレン草なんて誰も買わない。もちろん農家も作らない。こうして「ガラパゴス的野菜」が作られるようになったというわけだ。

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