アックスコンサルティング広瀬元義社長 作家志す青年時代

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 小説家になるために上京。大江健三郎、三島由紀夫、島崎藤村、水上勉らを読み漁り、明治学院大の学生時代は、蒲田のアパートにこもって純文学を書き続けていたという。

 ある日、部屋の窓からアスファルトの水たまりを眺め、「この道は大分までつながっているのか?」と思い付き、歩いて郷里まで戻ったこともあったらしい。

「28歳まで大学へ在籍して、見事に除籍。小説家として生きるなら20代までに結果を出さないといけないと思っていましたし、小説家としての道はそこであきらめました」

 それまでは同人誌の仲間と赤ちょうちんで文学論を戦わせる。

 やや青臭い気もするがその明るい表情から察するに、充実した日々だったようだ。当時の仲間には、いかにもあか抜けない事務員の女性がいた。

「山野田みゆきのペンネームを名乗っていた宮部みゆきさんです。当時の彼女は弁護士事務所の事務員をしていて、新宿ゴールデン街の内藤陳さんの店へ一緒に行ったこともありました。彼女はお酒がほとんど飲めませんでしたが、それでもグラスには口を付ける気遣いのある女性でした。当時の彼女はアガサ・クリスティやレイモンド・チャンドラーの技法を研究していた記憶があります。同じ小説家志望のひとりが小説家を断念し、一方で別の者は売れっ子作家として夢をかなえた。その違いを説明するのはなかなか難しいのですが、水上勉の『雁の寺』がいいと思う人と、ストーリーの筋立ての方を面白がる人の違い、と言ったら分かりますかね」

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