著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

セレブママたちが嫌がる「都落ち」感で遠のく慶応の背中

公開日: 更新日:

 奥島は自ら初等部の2次試験の面接に臨み、父兄らに寄付を要請したという。02年まで8年間、早大総長を務めた奥島はその後、日本高等学校野球連盟会長、ボーイスカウト日本連盟理事長、白鴎大学長などを歴任。いわば、教育界のドン的存在だ。

 翌年度には、寄付額が1人300万円では借入金返済が追いつかないと、350万円に増額。早実初等部が寄付金を半ば強制に近い形で集めていることが、私学助成金を出している東京都にも知られるところとなった。都は同校が合格発表前に寄付を要請している点と、高額であることを問題視。学校側に改めるように通達を出した。ところが、同校はその翌年度も2次試験の面接で350万円の寄付を募ったのである。

「当然ながら、都は激怒。私学助成金の2割に当たる約1億2000万円の返還を求めてきた。都や文部科学省からにらまれるようになったばかりか、父兄からも学校の拝金主義に対し、厳しい目が向けられるようになった。有名私立小学校の多くは何らかの形で寄付金を集めていますが、350万円という額はべらぼうに高い。早稲田は初等部を金儲けの道具としか考えていないのではないかと不信を持たれるようになってしまったんです」(前出の早大教授)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった