スイスで鉄道旅 急勾配を駆け上がるゆったりさも心地いい
スイスの鉄道は99.99%電化されている。残りの0.01%は未電化で、SLが活躍する登山鉄道が「ブリエンツ・ロートホルン鉄道」だ。1892年の開業で、100年以上も蒸気機関車が走り続けている貴重な区間に絶景がある。
「ブリエンツ湖の湖畔から急勾配を駆け上がるのですが、すぐに緑のカーペットが広がります。列車は高らかに排気音をとどろかせながら森の中を走り、トンネルを抜けて山頂を目指す。そのときの時速は8キロ程度。人が走るよりも遅いのです。1000メートル進む間に250メートル上るという250‰(パーミル)の急勾配だからですが、このゆったりしたリズムが心地いいのです」
眼下には、ブリエンツ湖が広がる。空や山に溶け込むブルーの景色は圧巻だ。
スイスは世界一の鉄道王国ともいわれる。大きさは九州とほぼ同じだが、九州のJR・私鉄・第三セクターを含めた鉄道路線が3000キロに対して、スイスは5500キロ。人口あたりの“鉄道密度”は世界一という。